白線の内側

駅のホームにいると、「白線の内側にお下がりください」というアナウンスが流れる。白線の外側、つまり線路は危険だからだ。今日なんかものすごく感情を込めたアナウンスが流れていた。「白線の内側にお下がりくださいッ」とキレイな(想像)お姉さんが言っていた。いまだかつて、あれだけ感情を込めて、駅のホームで身の安全を心配された覚えがない。どうもありがとう。おかげで、僕は今日も元気に生きているよ。

それはそれとして、「白線の内側」というと、あたかも駅のホームだけのように考えがちだが、本当にそうだろうか。ばかげた質問かもしれないが、考えてみると、ホームの線路ギリギリに引かれている白線。あれの内側、つまり線路とは逆の方向は全て「白線の内側」なのではないだろうか。だってそうじゃないか。どこに境界線があるというのだ。いや、ないだろう。となると、だ。駅のホームまで続く階段も、その外にある自動改札機も、駅に入るところの階段も、駅に続く商店街も、そして今、この日記を書いている僕の家だって、「白線の内側」にあたることになる。

となるともはや、世界中のほとんどの人間が「白線の内側」にいることになる。



うあああ。だからなんだこれ。