ドラクエプレイ小説みたいな日記2(ネタバレあり)

【火事と占いの町、トラペッタ

「日が暮れないうちに」ってヤンガスがしつこく繰り返すから、ひとまず俺たちは町を目指すことになった。休んでいた森から10分ほど歩くと、ずいぶん立派な壁で町の周りを囲んでいる街に到着した。スライム程度のレベルのモンスターがそんなに怖いのかお前ら。と問い詰めてやりたくなる。
町に入ると、なにやら町の人間は俺たちを訝しげな目で見てやがるが、他人の目を気にして生きるのが俺は大ッ嫌いなのだ。だから無視してやった。我ながらいい心がけだと思う。さて、ある程度町を歩くと、トロデのおっさんが馬車を降りて話しかけてきた。っていうか今ごろだけど、お前、実の娘であるミーティアに馬車を引かせるとは何事だ。かわいがってんのか、がってないのかどっちだよ!と突っ込んでやろうと思ったが、あいにくオレは喋れなかった。残念!実はオレがパペットマン斬り!なんて言ってる場合じゃねえな。
トロデのおっさんによれば、この町のどこかにドクター中松と呼ばれる人物がいるらしい。え?聞き間違い?あ、マスター・ライラスだって。ただな、おっさん。俺たちが今探しているのは、ミーティアを馬の姿に変えやがったドルマゲスとかいうヤツなんだよな。あー、分かった。トロデのおっさんももう年だもんな。ボケちゃったんだろ。な。いいよいいよ。もう無理しないで。この町でギブアップでいいから。後はオレがなんとかするから。な。と、そう伝えたかったが、しゃべれな(以下略
トロデのおっさんによれば(2回目)、ドルマゲスの師匠がマスター・ライラスだからまずマスター・ライラスに話を聞いてみようぜってことらしい。なるほど。そうならそうと最初から言えよと思ったが、ひとまずは我慢。ライラスってやつを探すことにした。
人探しといえば、まずは聞き込み。ということで、町の人間に話を聞いてみたところ、
①この町で火事が起きて老人が一人死んだ。火の始末はしっかりするべき。
②火事の鎮火活動がずさん
③火事が起こる前の晩、ライラスは道化師と言い争いをしていた
④酒場のマスターがこの町に関して詳しい
⑤物価に対して、所持金がものすごく少ない
⑥町中のツボとかタルを壊すと何かが出てくることがある
⑦町の名前がトラペッタ
⑧盗賊の鍵を探しにくる人がいる。
⑨ルイネロって野郎がどうかしちまった。
ってことが分かった。ひとまずこの町にとって大事なのは②だろうな。この間火事がおきたって言うのに、いまだに煙が立ってるってのは明らかにまずいだろう。この町には住みたくないと思った。
まぁそれは置いておいて、酒場に行ってみた。酒場のマスターに何かを聞こうと思ったのだが、その前に、変な客がいるのを見つけた。上半身裸の上、覆面をしているヤツが酒場にいるのだけれど、コレは大丈夫なのだろうか。明らかに、変態だ。話しかけてみると、テンションが下がっちまうとか言いやがる。いや、お前の言うとおりテンションは大事かもしれないけど、俺はお前を見てテンションが下がった。
他の客に話を聞いてみると、なんとマスターライラスはすでに死んだと言う。しかも火事で。なんと火事で死んだ老人とはライラスのことだったらしい。どのへんがマスターなのか分からない。火事で死ぬようなやつがマスターを名乗っていいのだろうか。だが、この客によれば誰かに殺されたという見方もあるそうだ。なるほど、それならば少しは納得がいく。上記③の情報とあわせると、どうやら「道化師」が怪しい気がするが、まぁそれは推測の域を出ないので、これ以上憶測するのはやめておくことにする。
いよいよこの町に詳しいと言う酒場のマスターに話を聞こうとすると、酒場のマスターは妙に顔の長い男と話をしている。少し立ち聞きしてみた。

マスター「こっちも商売なんだ。アンタの占いはあたらないしお金のメドもないじゃないか。酒はもう出せないよ」
顔の長い男「なんだと!わしの占いが当たらない?あほかお前は!占いなど当たらないのが当たり前なのだ。もしわしが先日の火事を占いで予見していたとしても次の災いの種になるだけかもしれないだろ」
マスター「アンタ言ってる意味わかんないよ。もし火事を予見してたら少なくともマスターライラスを救えてたじゃんか。」
顔の長い男「ライラスか。あの男が死ぬとはな・・・」

酔っ払っているせいか、この顔の長い男、ずいぶん話が飛ぶ。こんな面倒なヤツには、話しかけないほうがよさそうだ。そう思って、俺はマスターに話しかけることにした。しかし、気付いたときにはすでに、オレは顔の長い男に話しかけてしまっていた。話しかけたときの、オレの立ち位置がまずかったのだろうか。まぁとにかく、顔の長い男は、オレが話しかけるなり立ち上がり、オレの顔を凝視して、何かが見えるようなことを言いやがった。それにしてもこの男、顔がでかい。オレの顔の1.5倍くらいある。
と、その瞬間、酒場のドアが勢いよく開かれた。町の人間だ。相当焦っている。なんでも、町の中に魔物だか怪物だかが入ってきたらしい。あんなに厳重な壁が町の周りを囲んでいるというのに、そんなバカな、と俺は思ったが、一応気になったので見に行くことにした。
酒場を出ると、あたりは日が沈んで夜になっていた。町の入り口を遠くから見てみると、ああ。そういうことか、と肩を落とした。そこには、町の人間に囲まれているトロデのおっさんとミーティア姫もとい馬がいたのだ。一応、助けに行かなくてはと思い、現場に向かうと、相当の騒ぎになっていて、住民からは、出て行けコール連発、最後には石を投げつけられる始末であった。俺たちは仕方なく町から出ることにした。

★つづく